まだ幼さを残す表情や腰高の馬体など、カタログ掲載の写真からは5月生まれらしさを感じる一方、整った骨格フレームと深い胸、そして容量の大きな後躯。そこからは配合に裏付けされたパワータイプのスピード値の高さが垣間見える。
「骨量と筋肉量は、生まれの早い同期とも遜色はなく、1歳6月上旬の馬体重は395キロです。大きくは見えないかもしれませんが、中身がしっかり詰まっています」と大北牧場代表の齋藤善厚さんが教えてくれた。
母パッションは2歳6月の函館でデビュー。新馬から3回連続2着の後、8月に4戦目で初勝利。デビュー時420キロ台だった馬体は、競走生活を送りながら最終的には470キロまで成長。募集本馬の半兄ピコダイアルも、本馬よりも遅生まれながら460キロ前後の馬体で走り、南関東で新馬とJRA認定競走を連勝した。
父マテラスカイは、重賞7勝目を目指したインカンテーションを2着に下したプロキオンSでダート1400mの日本レコードをマーク。6歳夏のクラスターCで記録した1分8秒5は、盛岡競馬場のダート1200mレコードだ。海外成功種牡馬Speightstown譲りのそのスピードと加速力を、父となってもしっかりと産駒へ伝え、2025年5月末現在、新種牡馬ランキングのトップに躍り出た。残念ながら僅か3世代の産駒を残したのみで早世してしまったが「健在だったら、もう1度パッションに配合してみたかった」と齋藤さんも心底惜しむ。
放牧地では常に馬群の真ん中。ゆったりとしたフォームから、瞬時に回転の速いピッチ走法へ切り替えて加速する姿は運動神経の高さを物語る。歩く姿は首を上手に使いながら前脚は滑らかに、そして後躯は力強く地面を捉えて飛節がブレず、歩きの良さは、本馬のストロングポイントのひとつだ。
「牧場としても思い入れがあるノースフライトに遡るファミリーラインです。大切に育てていきたいと思います」と齋藤さんが決意を口にしながら言葉を結んだ。
1歳6月上旬時点測尺
体高 149cm / 胸囲 170cm / 管囲 20.3cm